[0065] 介護住宅紹介その1

ブログでお知らせしてきました通り、10月8日より新居での生活が始まっています。介護をしながらの引っ越しは思った以上に大変で、未だに段ボール箱に囲まれた生活ですが、何とか片付きつつあります。本当は、引っ越しの間ショートステイでもあればはかどるのですが、それもないのが現実です。片付けが終わるまでは妻の介護もほったらかしになって申し訳ないです。今回、重度障がい者である妻の長期介護を前提とした念願の介護住宅を建てました。ハウスメーカーで建てたのでいろいろと制約もあったのですが、2年半の在宅生活を踏まえて介護しやすい工夫を考えて設計したつもりです。これから何回かに分けてその詳細を紹介したいと思います。まず、第1回目は1階のお風呂を中心とした部分を紹介します。

まずは外観から。セキスイハイムのパルフェという商品です。2階のリビングの窓のデザインが象徴的ですが、これはモデルルームにもあった物です。外壁は金槌でたたいても壊れないそうです。
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コンセプトはもちろんバリアフリーです。いつでも自由に活動できるように考えましたが、福祉機器のオンパレードのようでもあります。玄関はポーチからホールまで全て段差なしの仕様です。その代わり、道路からの段差が大きいのでスロープでは長くなるため電動式昇降機をつけました。玄関ドアは3枚引き戸の開口部の大きい物にしました。これはトステムのものですがセキスイハイムの仕様になく、なんとか特注でつけてもらいました。やはり玄関は家の顔ですから、バリアフリー仕様にこだわりました。玄関の鍵は電子錠で、2階のリビングから開け閉めができます。
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昇降機です。積水化学の介護カタログにあったものです。60センチまでの段差解消ができます。野外設置タイプなので濡れても大丈夫です。電源は野外コンセントからとっています。鍵付きなので使う時だけスイッチを入れます。
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一番上まで上がったところです。ほとんど振動なく、割とゆっくり昇降します。車椅子の動線はL字型にしました。
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玄関は段差なしのバリアフリーです。
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玄関を入ってすぐ左は多目的に使えるスロップシンクがあります。車椅子のタイヤ拭きもすぐにできます。スロップシンクは深さがあるので尿器や汚れ物を洗うのにも重宝します。廊下の幅は1m27センチもあります。ついつい物を置いてしまいそうです。
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玄関を中から見たところです。とても広いので車椅子でも楽に旋回できます。玄関の広さだけは大豪邸並みです。
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玄関を入って廊下の突き当たりはホームエレベーターとトイレです。トイレは広めに作ったので将来妻がトイレに行けるようになったらシャワーチェアでつれていく事も可能です。
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右側は洗面脱衣室兼リハビリルームです。出入り口はもちろん段差なしのつり戸です。ドアの幅も広いです。車椅子の動線上のドアは全てつり戸で段差なしにしています。
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リハビリ室です。リハビリ用ベッドを買いました。ほとんどリハビリ病院のようです。お風呂の時は着替したり、体を拭いたりで使います。。
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上体を起こすこともできます。ベッドの高さは電動で調整できます。着替えの時は横向きになったりするので、通常のリハビリベッドにくらべて幅を広くしました(80センチ)。普段はエアマットのベッドでリハビリをしていますが、どうしてもやわらかすぎて、特に端座位を取ったりすると不安定ですが、リハビリベッドは固めなのでリハビリに適しています。
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これは前の家でも使っていた立位訓練台です。週2回はここで立つ練習をします。この部屋へ来てリハビリをすると生活とのメリハリがついてやる気がでるのでは?と期待しています。
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窓は掃き出しの引き戸にして、車庫の車に車椅子で乗り込めるようにしました。これなら雨の日でも濡れずに車に乗れます。
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お風呂の入り口です。ここも3枚引き戸になっています。
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お風呂の中は施設並みの広さです。
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シャワーはロングタイプの物を2本つけました。頭と体が同時に洗えます。手元スイッチ付きでお湯の出止がワンタッチでできます。入浴の作業がスピーディーになりました。
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浴槽とストレッチャーです。これは使っていた物を運び込みました。
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排水は2カ所(1カ所は浴槽の下)あります。
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入り口のドアのレール下も排水になっていて、絶対に外に水が漏れることはありません。
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浴槽にお湯を張っています。時間設定で自動的に止められるものにしました。だいたい20分弱でいっぱいになります。
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ストレッチャー上で頭や体を洗う時はこんな感じで洗います。介護者が3人いてもスペース的には余裕です。
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浴槽にお湯が溜まりました。さて今日の湯加減はどうでしょうか。
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今回はここまで。2階の居室についてはまた次回をお楽しみに。リビングは片付けがまだでとてもお見せできないのです。もうしばらくお待ち下さい。

新居に移った当日は偶然かもしれませんが妻はきょろきょろ落ち着かない様子でしたが、2週間経ってすっかりペースをつかんできています。僕の方は永遠に終わりそうにない毎日の引っ越し片付けで大変ですが、やっぱり自分の家というのは落ち着くものです。これまでは妻の実家に居候のみでしたが、これからは妻と二人の時間ももっと増えて以前の生活が少し取り戻せたようにも感じます。さて今日も段ボール箱を片付けなくては。

この記事へのコメント

2011年10月23日 23:30
待望の新居ですね(*^_^*)
気持ちのよさそうなお風呂です。
お風呂は大事ですね。
夫もお風呂が最大のリハビリなのではないか、と思ったりしています。
我が家も在宅になるときにリホームをしたのですが、夫は今でも「そろそろ、家に帰ろう」と言います。何度も説明しているのに、どうしても長年住んでいた家と違うように感じているようです。
きよりん
2011年10月23日 23:36
こんにちは。久々に覗きに来たら楽しみにしていた新居の御披露目でした。新しいお家はいかがでしょうか?奥様も旦那サンが考えたお家で過ごせて幸せですね。
前回リハ室がある事に驚いたケド、ベッドや立位台もあるなんてスゴイ! 寝室からリハ室への移動だけでもいい刺激になりそう。
うちの旦那サンは以前の病院では先生が抱きしめる形で立位はやっていたケド、今の所は尖足だからとやってもらえず…。 ちょっとでも足首柔らかくなるように毎日モミモミしてます(汗)
まじゅ
2011年10月25日 16:44
すてき・・・ため息です。
介護も大事ですが、家族が快適に過ごすことも大事ですよね。こんなおうちなら毎日の暮らしが楽しくて仕方ないでしょうね。奥様もきっと「気に入ったわ!!」と思っておられることでしょう。近くなら遊びに行きたいな~
2011年10月25日 22:40
空様
いつもブログにご訪問ありがとうございます。
一応は元住んでいたマンションの部屋に似せて作ったつもりなのですが、妻が自分の家にいるような気分になってくれたかどうか。
インテリアとかは妻もいろいろと口出ししたい部分もあるに違いないと思います。
自分としてはかなり居心地がいいのは自画自賛です。次回は2階をご披露します。
2011年10月25日 22:43
きよりん様
うちのも病院では立つだけでなく歩かせてもらっていましたが、さすがに家ではできません。
でも立位は何とか頑張って週2回はやっています。
尖足はありますが、足の装具を作ってもらって保護しています。ほとんどサイボーグのようですが、立つことで内蔵にもいい影響があるそうです。
妻はリハビリ病院へ来ていると思ってるかもしれません。頑張ってもらいます。
2011年10月25日 22:47
まじゅ様
コメントありがとうございます。
うちは子供もいないし、妻と二人住めればいいので、家全体を妻の活動に使えるようにと考えました。療養部屋だけに閉じ込めておく必要なないので、家の中だけでも移動ができて気分転換になればいいなと思っています。
介護もしやすくなりましたし、自分も居心地がいいです。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
2011年10月27日 03:13
福寿草さん、こんにちは。
妻と子供が一酸化酸素中毒&低酸素脳症に
なったおから野郎です。
家族会ご紹介ありがとうございました。
入会させていただきました。
上の子供は、8月に身障者一級の診断書が出て
手帳を申請したもののまだ発行されず、
まるでそれが待ちきれないように
退院半月で、今月から歩けるようになりました。
体の動きには、脳性まひの後遺症に見られるような不随意運動もなく、
麻痺は、意識が回復するまで右足のつま先が硬直していた名残で
若干アキレス腱が堅いのですが、この半月で小走りしたり
段差を超えたり階段の昇降も行ったりできるようになったので
何とかなりそうです。
ただし、体とメンタルな部分の回復の差があまりにもはげしく、
精神年齢は月齢にして6~7ヶ月相当の診断。
いっこうに発語もありません。がっくりです。
というより、意識回復直後はボソボソ簡単な発語があったので
こちらはむしろ後退しているのではないかと思います。
ただ、特定の単語や一定の判断力を
必要とする会話に反応する場合があり
何らかのきっかけで回復できるのでは、と以前の学校に
復学できることを今も信じて支援学級などには入れていません。
言語聴覚リハビリは、どうやって探せばいいものでしょうか。

私には資産もなく社会的信用もないので(涙)
こちらのような立派な家は建てられませんが、
先月末にバリアフリーにリフォームした
マンションに転居しました。
ですがバリアフリーが災いして、
子供は玄関と廊下の区別がつかず
靴を脱ぐ習慣というか、認識が身につきません。
これもちょっと悲しいことです。
Upstream
2011年10月27日 21:13
福寿草様
お引越し、お疲れ様でした。とても充実した内容ですね。奥様もお幸せですね!

我が家ももうすぐバリアフリー改装が終了し、仮住まいから帰りの引っ越しに移るところです。仮住まいですと、「どうせ後で引っ越しする」という意識が頭から消し去れず、段ボールの隙間を縫うような生活をしていました。戻ったら、私も妻の介護を始められるよう、全力で片付けに専念しようと思います。

ご新居で楽しくお過ごしになられてください
samantha
2011年10月29日 00:09
豪邸にお引っ越ししたのですね。
新築おめでとうございます。
奥様もきっと喜んでいますね。御主人様の優しさがたくさん詰まった豪邸に二人で暮らせる幸せを感じていらっしゃるのでしょう。

2階も早く御披露目して下さいね。
又の更新楽しみにしております。

奥様が快復に向かいます様遠い田舎で祈ります。
2011年10月29日 20:51
おから野郎様
「小走り」とはすごいことですね。この分だと後遺症も気にならないくらいに回復が期待できそうですね。やはり子供の脳というのは蘇生能力が大人とは違うのだと思います。もちろんお父さんの適切な介護があったからこそと思います。高次脳機能の方も改善されることを願っています。
言語聴覚士は数が少ないので、特に訪問でやっているところは少ないと思います。病院の紹介は保健所の範疇だそうですが、保健所も地域によって様々のようです。良い病院に出会えることを願っています。
2011年10月29日 20:55
Upstream様のところも引っ越しですか。大変ですね。
うちは詰めるのは楽々パックを使ったのですが、さすがに運び込みは部屋のレイアウトも違うので自分でやらないとと思ってやりましたが終わりが見えてきません。
でも改修工事の完成も楽しみですね。少しでも介護が楽になるといいですね。
2011年10月29日 20:59
samantha様
妻は引っ越し以来、日に日に落ちついて来ているように思います。これから気候がよくなればいつでも外出できる環境になったので、また散歩が始められそうです。
今回、いろんな方からコメントをいただき大変有り難く感じています。何とか片付けをすませて早く2階の部屋がお見せできるように頑張ります。私も新居で落ち着いて暮らせています。
ひまわり
2011年11月01日 15:48
ご引っ越しおめでとうございます。
ご夫婦で、回復に向けて、最高の環境が整いましたね。 笑顔が増えれば、ますます
夢が広がっていきます。 我が家も頑張ってゆきます。  今ロボットスーツでの、治験に参加できるようになり、目標に向け 気持ちをつなげています。 いつも心強い生き方を、伝えてくれて ありがとうございます。 
2011年11月02日 22:13
ひまわり様
わが家はこれからまた再出発という感じです。
「ロボットスーツ」ですか、それこそ最先端のリハビリを受けられるんですね。
どんな治験なのか興味津々です。
また経過をお知らせいただけたらと思います。
あきらめない気持ちが大切ですね、医学は進歩します。
こちらこそよろしくお願いします。
RX-7
2011年11月14日 21:46
はじめまして。私は脊髄損傷で自動体位変換を検索していてこのブログにたどり着きました。それでこのブログでも紹介されていたクレイドというエアマットレスを購入することにしました。このブログに書かれてあることは脊損の私にも参考になることばかりで、これからも見させてもらいます。
介護住宅に関してなのですか、私も自分が住むための家を建てようと思っていて、ハウスメーカーか地元の工務店にするか根本的なことで迷っています。ハウスメーカーだといろいろ制約があると書いてあったのですが具体的にはどういったことでしょうか?それでもハウスメーカーにした決め手は何だったんでしょうか?参考にしたいので教えてください。
長くなってすいません。
2011年11月16日 22:08
RX-7様
ブログご覧いただきありがとうございます。
自動体位変換エアマットは私の知る限りモルテン社のクレイドだけだと思います。体位変換時にパキパキと結構音がするのが欠点ですが、自分でも寝てみて寝心地はいいです。
介護住宅についてですが、理想的には地元で介護住宅の経験豊富な設計士か工務店があればそれに越したことはないと思います。ハウスメーカーは品質が一定で工期も短いのが利点です。ただ、介護の設備や車いすの取り回しなどあまり知識があるとは思えませんでしたので、こちらからいろいろと注文を出しました。いくつかの仕様で構造計算をしているようで、メニューにない建具を選ぶことは難しいようです。今回も玄関はどうしても3枚引き戸にしたかったのですが、メニューにない物を選ぼうとすると後期が延びたり構造計算が必要になってコストがあがったり、どうしても選べない建具もありました。そういう意味での制約です。福祉機器メーカーとの連携も大切なのですが、あまり取引したことはないみたいでした。
地元の腕のいい工務店を探す時間もなかったので口コミで良かったハウスメーカーにしました。設計図が完成するまでは納得のいくまで打ち合わせをされることをお勧めします。
RX-7
2011年11月17日 22:46
詳しく返答いただきありがとうございました。私はこういった感じの家で一階だけの平屋に住みたいと思っています。部屋から車に直接乗れるアイデアは私もマネをしようと思いました。玄関前もバリアフリーにできればいいなと思っているのですが、段差はセキスイハイムに限らずハウスメーカーだとできてしまうのでしょうか?それと天井走行式のリフトで部屋から浴室までそのまま移動できるようにしようと思っているのですが、その場合ドアを天井まであるタイプにしないといけなかったりするのですが、やはりハウスメーカーだとそういった融通はきかないのでしょうか? 
2011年11月19日 22:47
RX-7様
介護住宅の一つの理想はやはり平屋建てであることは間違いないです。エレベーターは停電や災害時は使えません。それにエレベーターとエレベーターホール、階段のスペースをあわせると一部屋分以上はあります。
さて、リフトですが、ウチの場合は部屋をまたぐことは必要なかったので、部屋中どこでも移動ができる竹虎のXYシステムにしました。天井据付型ですが、これだとベッドのレイアウトなど自由に変更できます。部屋をまたぐのならば同じ竹虎のかるがるⅢの天井走行レール式にすれば鴨居もまたぐことができます。
ウチの場合は室内ドアは車いすで通ることを考えて全てつり戸の引き戸にしました。これはセキスイハイムのメニューにありました。
玄関のバリアフリーも始めから頼んでおけばおそれく可能だと思います。
とにかく、ハウスメーカーと福祉機器メーカーと三者で打ち合わせを入念に行うようにすることです。福祉機器についてはこちらがわかっているだろうと思っていてもわかっていないことがあります。
時間が許せば納得のいくまで設計に時間をかけることをお勧めします。
りふとについてはまたブログ本文で書きます。
RX-7
2011年11月24日 22:35
非常に参考になる情報ばかりありがとうございます。リフトで鴨居をまたげるタイプがあること自体知りませんでした。その動画も見てとても参考になりました。
このブログを見るまでは地元の工務店でいいかなと漠然と思っていたのですが、実際に住宅の写真や意見などを聞かせてもらいハウスメーカーでも介護住宅を建てるのは全然問題ないんだなと思いました。むしろコストは高くても品質のいい方が安心だと思うようになってきました。それでいろんなハウスメーカーのホームページを見た結果、セキスイハイムの楽の家という平屋の商品が自分が住むのにサイズ的にも間取り的にもちょうどいいなと思い、この商品にしようかと思っています。それでこの商品に鉄骨系と木造系のタイプがあり、またどちらにしようか根本的な事で迷っているのですが、ネットで調べてもどちらにも一長一短あるみたいで余計迷います。福寿草さんは鉄骨系の商品みたいなのですが、それにした理由は何だったんでしょうか?また実際に暮らしてみて思ったことはありますか?
本当に毎回質問ばかりすいません。  
2011年11月26日 19:41
セキスイハイムの平屋建て、いいですね。広い土地があればウチもそれにしたかったです。
鉄骨か木造かは単純に好みで決めました。以前はマンションに住んでいたこともあって、屋根の平らな四角い家で壁は煉瓦調がいいなと思っていました。セキスイハイムの場合は強度は同じだと思います。
まだ住んで1ヶ月半ほどですが、今のところ大変快適です。四季を経験してみないとまだわかりませんが、既にすっかり自分の家という感じになっています。近日中に2階居室のレビューを書きます。

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