[0056] 初めての1泊旅行 <かんぽの宿焼津>

妻が病気になって以来、初めての旅行へ出かけました。旅行と言っても家から車で30分くらいのところですが、念願だった泊まりがけの旅行へ行ってきましたのでご報告です。

妻が元気だった頃は夫婦でよく旅行へ出かけていました。あまり密なスケジュールは好みではないので温泉でのんびりとか、近くのシティホテルで1泊とか、癒やし系の旅行が多かったと思います。妻が意識障害になってからはもう旅行なんて一生出来ないと諦めていたのですが、家族会の方から「かんぽの宿」にはバリアフリールームがあってリフト付きの部屋もあるとの情報をもらい、一番家から近い「かんぽの宿・焼津」に見学へ行って、妻のような状態でも泊まらせてもらえることを確認してきました。そして僕ら夫婦と妻の両親と4人で予約をとって、冒険気分で出かけました。

病院へ入院するのと違って、あらゆる看護・介護用品を持参しなければならないので準備は入念に、大荷物になりました。車2台に分乗して15時過ぎに家を出発しました。もう少し早い時期であれば道中は満開の桜並木できれいだったのですが、すっかり葉桜になっていました。気持ちの良い晴天の中、30分ちょっとのドライブで宿に到着しました。バリアフリールームは1つしかないのですが、入り口は大きな引き戸で部屋は2ベッド+和室の和洋室タイプでかなり広めです。ベッドは2つとも電動リクライニング式で頭と足の上げ下げおよび高さ調節ができます。天井走行式のリフトはベッドから浴室へ行けるようになっていましたが、浴室は広いのですが浴槽は普通のタイプで介護しながら入れるのは難しそうだったので、また部屋のお風呂は温泉ではないため、入浴は午前中に家で済ませてきました。部屋は広くて車いすからベッドへの移乗も楽に出来ますし、畳の小上がりに布団を敷けば最大4人は泊まれます。マットレスは普通のスプリングタイプだったので褥瘡予防に体圧分散できるマットレスの上に敷くタイプのマット(ピュアライフのエアーパッドEX-W)を念のため持って行って使いました。高台にあるので窓からは海が一望できてとても眺めが良かったです。この景色も旅行の醍醐味です。

食事は車いすでレストランへ一緒に行って経管栄養でやりました。さすがに自分たちだけごちそうを食べるのは妻に申し訳なかったので、スプーンを借りていろんなものを2,3滴ですが口に入れてあげました。食前酒のイチゴワインやハマグリのお汁、だしのきいた吸い物やかにのしゃぶしゃぶなど、いつものSTの時よりも明らかに力強いもぐもぐゴックンが出ました。最後にお茶を入れようとすると自分から口を持って行くような仕草が見られたように思いました。

実はひとつハプニングがあって、経菅ボトルを忘れてきてしまって、仕方なくシリンジでちまちま栄養剤を入れました。経菅ボトルをつるすスタンドもちゃんと持って行ったのに、失敗でした。まあこれでだんだんと慣れてくれば失敗もなくなることと思います。

そして、夜は以前と変わらないように夫婦で宿に泊まっている、その場面だけを切り取ると全く普通の状況にあり、それがとても不思議な感じがしました。妻も緊張が入ることもなくおとなしくしていましたが、なかなか寝てくれませんでしたし、僕もその不思議な感覚になかなか寝付かれませんでした。明け方の3時過ぎになってようやく妻は寝息を立てて熟睡モードに入りました。

次の日は妻は部屋で朝食を取って、僕らは交代で朝食バイキングへ行きました。朝起きた時はしっかりと排便もありました。ベッドが豪華すぎて幅が広めで(1m)オムツ交換等介護はちょっとしづらいです。あっという間に10時がきてチェックアウト。宿は景色は良かったのですが坂の上にあるので周りで散歩できるところがなく、帰りに近くの海浜公園へ寄って12時前には帰宅できました。24時間も家を留守にはしなかったのですが、それでも念願だった旅行が出来て本当に「ヤッター」という感じでした。こういった公共の宿は一時は批判の的になったこともありますが、ほぼすべての宿にバリアフリールームが完備されているのはかんぽの宿ならではだと思います。民間ではここまで充実しているところは知りません。「かんぽの宿」は他にもあるので、だんだんと足を伸ばしていって見ようかと思っています。他にも重度障害者でも泊まれる宿の情報は探してみたいと思います。できればお風呂も入れるとことがあるといいなと思います(介護付きで!)。

かんぽの宿・焼津バリアフリールーム
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車いすも楽に旋回できます。
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お風呂は3方が壁なので介護はしづらい感じです。天井にはリフトのレールが来ています。
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焼津の港が一望できます。
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レストランで一緒に食事。テーブルは車いすにはもう少し高い方がよいのですが。
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玄関で記念撮影。
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かんぽの宿
http://www.kanponoyado.japanpost.jp/

かんぽの宿・焼津
http://www.kanponoyado.japanpost.jp/yado/yaidu/



体圧分散マット(ピュアライフのエアーパッドEX-W)
http://www.purelife-jp.com/goods.html

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この記事へのコメント

2011年04月23日 01:09
気持ちよさそう
よいご旅行ができましたね!
私も思わず、かんぽの宿、関西で捜してしまいました。いつか、奈良のお宿に行きたいなあ・・・と思いました。ベットのマットまで持って行かれるとは!さすが、ですね!経菅ボトルはお忘れだったようですが・・・・それも良い思い出になりますね(笑)
2011年04月23日 21:49
空様
かんぽの宿、いいですよ~。宿によって身障者用roomの大きさや間取りはまちまちみたいなので確認してみてください。
外出・宿泊等の介護支援を行うガイドヘルパーという制度もあるみたいです。
しかし、人はなぜ旅行をするのか? 僕は非日常を感じたいからですかね。妻も何か感じてくれたみたいです。遷延性意識障害者でも旅行ができるのです。
次はどこへ行こうかな。
エルビス
2011年04月24日 19:41
はじめまして。
「遷延性意識障害」で検索してこちらのブログを知りました。

私共も21歳になる娘を在宅介護していますが(発病から6年半・在宅1年半です)
福寿草さんの、回復に向けてのあらゆる努力を拝読し本当に頭が下がる思いです。
電気刺激・紙屋先生・野田先生・マイスリー・・・。
娘の回復や介護に大変参考になります。
ありがとうございます。

私もつたない日記を公開しています。
よろしければご笑覧下さい。
http://www.kangaeroo.net/D-user-F-diary-uid-G9.html
ねこ
2011年04月24日 19:51
はじめまして。遷延性意識障害を検索して こちらにきました。私は 病院で 介護をしています。私の担当している患者さまが この 遷延性意識障害の方ですがはじめて持つということ 知識がないこと どう向き合っていいか わからないことばかりです。失礼ですがこちらのブログから なにか 力を借りれたらと思います。
きよりん
2011年04月24日 22:12
こんばんは。家族旅行良かったですね!いいなぁ。障害者に配慮した宿泊施設があるなんてしりませんでした。ご家族で素敵な時間過ごせましたね。我が家は転院前に自宅へ1時間だけの外出しかした事がなく、それもバッタバタの大騒ぎだったので旅行は夢のまた夢だなぁ。旦那サンも旅行大好きで夏休み冬休みはいつも2人で旅行してました。いつか行ける日がくるといいなぁ。
新しい病院ではベッドサイドの軽いリハビリに戻ってしまったケド、かなり慎重に扱ってもらえてるようでやっとリハビリ室デビューをした所です。それでも週に4日入ってもらえてるし、これから徐々に車椅子の時間を増やしてもらえるようなので、頑張ってもらわねば!
2011年04月25日 01:22
エルビスさん、こんにちは。
ここでお会いできてうれしいです。山元加津子さんといっしょに「あなたの声がききたい」の彩ちゃんを捜していました(笑)柴田先生に出会われたこともブログで拝見しました。彩ちゃん、素敵なお嬢さんに成長されていますね。エルビスさんのブログにコメントができなかったので、ここに書かせていただきました。私も家族会の会員です。福寿草さんのブログでいつも勉強させていただいています。今度の東京の総会での福寿草さんの発表をお聞きしたかったのですが・・・・ちょっと無理かなあと思います。またいろいろ教えて下さいね。http://ameblo.jp/maimudes/
2011年04月25日 21:48
この2日間で多くの方にコメントをいただきありがとうございます。励みになります。

エルビス様
日記拝見いたしております。あのNHKスペシャルに登場された方ですね。私の方こそ生きる望みをいただきました。これからもよろしくお願いします。

ねこ様
病院関係の方に参考になったと言ってもらえると大変嬉しいです。遷延性意識障害者は周りのことはかなりわかっているはずです。わかっていることを前提に接してあげることがまず第一です。本人の思いをいかに引き出してあげられるかだと思います。難しいですけど根気よくですね。

きよりん様
いつもありがとうございます。在宅になって良かったことは妻をいろんなところへ連れ出してあげられることです。逆に、週4回もリハビリはやってもらえません。自分の時間もなくなります。うちの妻も行けたのですからきよりんさんのところもきっと旅行が出来ますよ。目標にしてがんばってください。

空様
家族会での発表ネタはほとんどこのブログで紹介した物です。新ネタも必ずブログに載せますので安心してくださいネ。いつかお会いできますことを楽しみにしています。かんぽの宿は石川県内にはありますが金沢市からは遠いのでしょうか。
お母さん大好き
2012年06月07日 01:20
こんばんわ。
勝手ながらに拝見さしてもらいました。
今から8年前に母が脳出血で倒れ
言葉が全く話せないし右麻痺になりました。
そんな母と父と三人で
去年から家族旅行に行っています☆
母が倒れる前まで年に一度の行事で
必ずGWに家族旅行をしてました。

共働きのあたしからしたら
それが楽しみでしかたがなかったです(笑)

でもお母さんが倒れてから
なかなか行けるきかいもなく
バリアフリーのホテルとかお風呂とか
あることも知りませんでした。

去年ゎ白浜に行き、すごく楽しい
一泊二日でした。

今年はかんぽの宿を利用しようと思ってるんです。

家族風呂?があるとこもあるみたいなので
探して行ってきます。

障害の種類ゎ違いますが、
すごく前向きに生きられており
すごいなあと思いました。

母が倒れた時ゎあたしもまだ13歳だったし
現実を受け入れることができず
一人で泣いて泣いて自分を傷付けたこともやりました。

でも今は前のお母さんとゎ違うけど
あたしのお母さんには違いないと
思えるようになりました。

あたしはまだ20歳です。
去年から介護の仕事もし始めました。
もっとたくさん勉強して
前向きに人生送っていきます。


長々とすいませんでした。
色々勉強になるのでこれからも
拝見さしてもらいます。
2012年06月07日 21:47
お母さん大好きさんへ
お母さんのことが本当に大好きなんですね。13歳からお母さんの介護をされているなんて、僕には想像も付きません。でもきっとそれまで見えなかった世界が見えていると思います。そして介護のお仕事に進まれるというのもすばらしいことだと思います。
旅行は本人にも介護者にもすばらしい時間をくれます。ぜひお母様に合った宿を見つけて下さい。かんぽの宿は白浜にもありますね。
まだ先は長いですが、未来には希望があると信じています。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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