遷延性意識障害の妻を支えて

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zoom RSS [0135] 遷延性意識障害の妻を支えて10年

<<   作成日時 : 2016/03/30 22:28   >>

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先日の3月25日で妻の発症から10年になりました。10年前の2006年3月25日未明、妻は就寝中に心肺停止、蘇生されるも意識は戻らず、現在に至っています。僕の介護生活、妻の闘病生活も10年となったわけです。10年頑張れば病気が治るとか、10年という期間に医学的には意味はないのですが、心情的には10年間頑張ってきたという感慨深いものがあります。10年前は僕は40歳直前、妻は36歳直前でしたが、もうすぐ50歳と46歳になります。僕は40代をずっと介護で過ごしてきたわけです。10年ひと昔と言います、失われた10年、たかが10年されど10年、あっという間だったような気もするし、10年前普通の暮らしをしていた頃がとてつもなく遠い過去のような気がしたり、いろいろな思いがあると同時に妻は10年本当に良く頑張って生きてきてくれたなぁというのが正直な気持ちです。

10年前と今とでは全く違う生活をしています。転居もしたし、マンションを売って家を建てたし、転職もしたし、最初の2年8か月は病院にいて、特別な治療のため他県の病院にも入院したし、在宅になっても救急車で運ばれたり、いろいろなことがありました。今無事に生きていられることが奇跡のようにも思えます。10年前は全く想定していなかった生活が今ここにあります。

もし、こんなことが起こらなかったら、あの時のまま暮らせていたら、今頃はどんな暮らしをしていたんだろうかと思うことがあります。子供も出来ていたかも知れないし、仕事で海外で暮らしていたかも知れないし、でも今は目の前のことで精一杯で、たらればは考えないようにしています。

妻は今も診断的には意識レベルは限りなくゼロに近い状態ですが、長く接していると全く意識のない状態ではないということは明らかに感じ取れます。意識レベルということでは僕は蘇生直後に容体が安定してきたころから今とそれほど差は無いのではないかと思っています。つまり、昏睡から脱したころから意識はあって、体が自由に動かないので周りに伝えることができない状態だと思っています。妻が入院してから初めて泣いたのは発症1ヵ月ぐらいのころだし、大きな感情の波があった時に泣きや笑いが出るのは今とそれほど変わりはないように思えます。

ただ、身体の機能回復という点では少しずつですが体の一部を自分の意志で動かせることができるようになってきているように思えます。10年が過ぎても回復している部分はあります。おそらく医学の教科書には意識障害のまま10年以上経って回復することはないと書かれていると思いますが、そんなことは決してないのです。特にここ2,3か月くらいでまたできる事も増えてきています。たとえば最近特にオシッコの調子が良くて、尿器でできる回数がぐっと増えて来ました。尿器を始めた頃から1日5回のおむつ交換の時パーフェクトで尿器でできることもまれにありましたが、1週間とかしばらくできない日が続くこともありました。しかし、いつの頃からか1日1回は尿器で成功するようになって、連続で1ヵ月くらい1日1回以上できてきました。そしてここ3ヵ月ほどは毎日複数回尿器でできるようになってきています。今日も4回尿器で成功しています。少しずつ身体の一部分のコントロールが利くようになってきているようです。

最近取り組んでいるのは首を左右に自分の力で向けるように訓練しています。普段は左を向いていますが、「右を向いて」と言うと、キューッと首を右に動かせることがあります。その精度も高くなってきています。出来ないときでも少し手伝うと右へ向こうとする意思を感じることが出来ます。今は右向きで「イエス」を伝えられるように訓練しています。10年経っても回復はするのです。3ヵ月とか6ヵ月で症状固定と診断して、その後のリハビリも治療も必要ないとする今の医療制度は、人間の快復力を全く考えていないものです。それが間違いだと言うことを証明してやろうと頑張っています。

またこれから新たな10年が始まっています。更に機能回復するにはどうしたら良いか、試行錯誤の毎日です。妻は白髪が増えました。10年前はほとんど無かったのに、僕も額が広くなりすっかり老眼です。妻の爪を切るのにも老眼鏡がないとダメです。腰痛もだましだましで介護をしています。10年後も二人とも健康でいられればそれが一番です。
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そろそろ白髪染めデビューかな。

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
福寿草さんには当時色々アドバイス頂き大変感謝しています。
私も今年の5月で5年になります。
妻⇒心肺停止、子ども2人⇒JCS300、
火災で全焼、無一文に。そして介護離職……、
全員重い後遺症が残っているのに、
妻と下の子どもは、後遺症の認定を受けていません。(身障者手帳が出ません)
たとえば妻の肺活量は気道熱傷で半分近くに下がっているのに
ギリギリで正常値の範囲に入っているそうです。
上の子どもは大脳基底核をやられていて、受傷の年は遷延性意識障害の
診断を受けましたが、その後、高次脳機能障害に「回復」したものの、
事故前の記憶は喪失、バランスの悪さ、「複視」などの症状もあります。

田舎の墓は墓じまいして、私らを守ってくれなかった
先祖にもペナルティを与えるつもり。
というのは半分冗談、半分本気といったところかな。

人生いろいろなことがあるといっても、
こんなことは経験したくなかったですね。
おから野郎
2016/03/30 22:59
お久しぶりのコメントになってしまいました。

奥さま、発症から10年なんですね。

出来ることが増えてきているんですね。
尿器で、おしっこ出来る回数が増えていることも、首を自分の力で右に向けようと動かされていることも、すごいですね。

何年経っても回復することはあるし、今の医療で常識と思われていることが間違っているということを、自分にできる方法で伝えていけたらいいなあと思っています。

Hina
2016/04/07 07:20
おから野郎様
5年から10年は早かったように思えます。我が身に起こったことを受け入れられたからだと思います。もうこれ以上悪いことは起こらないと考えて前を向いて生きたいと思います。
福寿草
2016/04/13 22:09
Hina様
今の医療では遷延性意識障害は回復する可能性は限りなくゼロに近いと考えられています。しかし、現実回復されている方も多くいます。医療の対象から外れるので報告がないだけだと思います。何年経っても回復すると言うことを証明したいと思っています。
福寿草
2016/04/13 22:12
福寿草様
転院時の病院選びや、
現在やっておくべきことについて、
ご経験からよいアドバイスが頂ければと、
書き込みをさせて頂きました。

妻(36歳)が5/4に低血糖症により意識を失い、
一命は取り留めたものの、
気管切開での人工呼吸、尿道カテーテル、静脈点滴、径鼻胃管、をしている状態です。
体重は順調に増え、
MRIの検査でも特に異常がないが、
遷延性意識障害の状態です。目は開きますが、
目で追うこともなく、問いかけに反応もありません。
状態が安定しているので、
転院を勧められました。
私ができる最善のことはなんでしょうか。

東京に実家もあり、
積極的に治療やリハビリを行ってくれる病院を近場で探すことでしょうか。
名古屋や栃木にはいろいろ有効そうな病院がありそうですが、遠くてもそのような病院を当たるべきでしょうか?

ご助言よろしくお願い致します。
灰色熊
2016/05/24 22:15
灰色熊様
私の妻も発症は36歳の直前だったので、10年前を思い出します。
5/4ということはまだ1ヵ月も経っていないわけですよね。まだあきらめるのは早いです。
今できることは密度の高いリハビリテーションです。身体的なリハビリと精神的なリハビリ。身体は意識のはっきりしない急性期から座らせたり立たせたりして意識に働きかけるのが最近のものです。安静にはいいことはありません。もし今の病院がリハビリに積極的でないなら出来るだけ早く回復期リハビリ病院へ移った方が良いと思います。発症後150日は受けられるはずです。
精神的リハビリは家族にしか出来ないことが多く、話しかけたり音楽を聴かせたり、出来るだけそばににいてあげられた方が良いので病院は近くの方が良いに越したことはないです。
身体をさすってあげるのも安心につながると思います。
6月5日に東京で家族会の会合があります。もし時間が許すのならば参加されて情報を得るといいと思います。講演会よりもお昼の交流会であれば同じ境遇の会員さんと話が出来ます。個別相談もあります。全国遷延性意識障害者・家族の会で検索して下さい。会員の経験をまとめた「家族の歩み」も読むことが出来ます。
http://homepage3.nifty.com/zsk/
関東地区であれば家族会「わかば」でも相談会や交流会を行っていますのでご参加されることをお勧めします。
http://wakaba-senensei.com/
とにかく奥様が「生きたい」と思うようなことをしてあげて下さい。
福寿草
2016/05/27 23:22
福寿草様
背中を押して頂いてありがとうございます。
転院先については早急に決めてリハビリを始めたいと思います。
また、6月5日の会合に参加します。
家族会にも参加してみます。

自分では前を向いて、いまやれることをやらないと駄目だと理解しているつもりですが、ふとした瞬間に後悔が押し寄せてきます。妻が回復しなかったことを考えると、働きながらどこまでのことができるのだろうかとも悩みました。そんなとき、こちらのブログを拝見してすごい力を頂きました。働きながら、10年という長い期間をがんばっている方がいるのなら、自分もがんばれるのではないかと思えたのです。
福寿草様には心を救って頂いたので、今度は自分が妻を救えるよう精一杯がんばってみたいと思っています。
本当にありがとうございました。
灰色熊
2016/05/30 23:56
灰色熊様
5日の家族会でお会いしましょう。
私はランチ交流会より参加していますので声をかけて下さい。みんな同じ境遇の仲間達です。
福寿草
2016/06/03 23:49
福寿草さま

はじめまして、昨年よりこちらのブログを拝読させていただいております。
私の母も2015年の10月に重篤な脳出血の後、すぐに脳梗塞を併発し、なんとか一命は取りとめましたが、福寿草の奥さまと同じ遷延性意識障害となり、介護5身障1の体となってしまいました。
まだ61という若さで動くことも食べることもできず、そんな母を見ながら毎日病院に通うのが辛くてしょうがなかった時にこちらのブログと出会いました。

父もまた脳梗塞の後遺症で、日常生活は送れるものの、難しい話が話が理解できず目も悪いので、母の事で協力的な家族がいないなか、仕事をしつつ奥さまの介護に懸命な福寿草さまに、辛いのは自分だけではないと思わされました。

母はまだ医療療養病院で、ただいま10ヶ月入院中ですが、リハビリの期限もすぎ、もっと積極的なリハビリを望んでいたため、今年の10月に自宅介護をすると決めました。福寿草さまの自宅介護のブログは、これからの介護生活にとても参考になると思います。とくにかんぽの宿でご旅行をされた記事を読んだときは夢が広がりました。
全身麻痺でもなにも全て諦める必要はないのだと感じ、前向きになれました。

これからもちょこちょこコメントさせてください。
ありがとうございました
カルクロ
2016/08/12 18:59
カルクロ様
ブログの更新がすっかりご無沙汰で申し訳ありません。最近はあまり変わったことが無いのでついサボってしまいます。
お母様もうすぐ1年とのことですが、自分たちは1年経った頃はまだ在宅も考えられないような日々でした。在宅への移行がスムーズにいくことを祈っています。
かんぽの宿は全国にあって必ずバリアフリールームがあるのでオススメですよ。病院で外泊許可が出れば自宅介護の予行演習にもなります。おちろん自宅でお試しのお泊まりができればそれに越したことは無いと思います。頑張って下さい。
ぜひまたコメント下さい。私も励みになります。
福寿草
2016/08/17 22:00
おはようございます。
昔の記事にコメント失礼します。
私の父は、医療ミスで遷延性意識障害になりこの3月で9年になりました。意識はないと診断されるものの、嚥下訓練で美味しくないものはダーっと吐き出す仕草をみると、この病気まだまだ何かあると思っちゃいます。ともに頑張って生きていきたいです。
娘。
2017/05/09 09:24
娘。さん
間違いなく意識はありますね。私も誰が何と言おうと、本人は全部分かっていると思って接しています。それが生きようという意思になるように思います。ともに頑張りましょう!
福寿草
2017/05/19 00:02

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