遷延性意識障害の妻を支えて

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zoom RSS [0153] 重度障害者とのコミュニケーション NHK Eテレ バリバラ 『HEY 重度』

<<   作成日時 : 2018/05/29 22:08  

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“生きていれば誰にでも意思はある”当たり前のことですが今までは見落とされてきました。二週にわたってNHK Eテレのバリアフリー・バラエティー番組「バリバラ」で「HEY 重度」と題して、重度障害者のコミュニケーションが取り上げられました。僕の妻は遷延性意識障害で意思疎通が困難な重度障害者のひとりですが、その介護をしている者として今回の番組には大変感銘を受けました。

これまでこのような福祉の番組には自ら言葉を発せられる障害者が出演してきて、コミュニケーションの困難な人は介護が大変とか生きている意味はあるのかなど、かわいそうな人として重たいテーマでしか取り上げられてこられなかったと思います。でも今回は俳優の横田美紀さんが見習支援として、重度の障害者とのコミュニケーションにチャレンジするという画期的な企画です。重度の障害者は言葉は表現できなくてもどこか体の一部やごくわずかな表情で意思を表せることがあります。それは家族だけにしかわからなかったり、施設でも能力の高い支援員にしかできない特殊技能だったりと考えられていました。横田さんは重度障害者と接するのは初めてだったようですが、このプログラムに真剣に取り組み、5日間のプログラムを通して少しずつ分かっていったように思えました。

番組の中で彼女が施設の職員に対して、本当に本人の意思が読み取れていますか、と疑問をぶつけていましたが、確かに表情とかで簡単な意思疎通はできていると思っている家族であっても、本当のところは100%自信があるとは言えないのが本音です。日によってできる日とできない日が確かにありますし、疲れていたり眠たかったり、逆に感受性の高い日、ひょっとしたら本人がしょうがなく付き合って合わせてくれていることもあるかもしれません。

言葉でなら細かいニュアンスが伝えられると思いますが、イエス・ノーと言った二者択一だと、選択肢の提案も限られますので、正確に本人の意思をくみ取っているかどうかわかりません。始めはどう接したらいいかわからなくて文字通り頭を抱えていた横田さんですが、とにかく観察して、本人の自宅へ行ってこれまでの生活や本人のことを調査したりして、こんなことをやりたいんじゃないかなというメニューを提示します。

例えば車が好きな人にはあこがれのスポーツカーに乗ってドライブする、動物好きの人には猫カフェで猫と触れ合うなど、実際にはそれを実施するには社会のバリアもたくさんあるのですが、創意工夫でそのプログラムを体験できた本人にははっきりと喜びの表情が出ていたと思います。やっぱりどんな人にも意思はあるんだと教えてくれたすばらしい企画でした。そして横田さんもすばらしかったです。すっかりファンになりました。

これまでは重度障害者は意思疎通をすることは不可能ということを前提に様々な制度ができていました。四肢麻痺で手も足も不自由な人では意識があってもなくても介護の支給は同じなのです。でもこれからはまず本人の意見を聞くというステップを加えることが必要になります。番組で心得としていた三原則は、

@何もわからない、何もできないと決めつけない。
A本人のタイミングを待つ。
B意思が垣間見えたら言葉で返し確認する。

ということです。介護の現場に重度障害者とのコミュニケーションを試みることを義務とすると、当然ながら介護の時間は増えることになります。昨今の社会保障費の拡大を抑える方向にある中ではなかなか難しいことかもしれませんが、それはこれまで無視されてきたという事、重度障害者でも生きる尊厳が生まれることは間違いないことです。

僕も今回の番組を見てもっと妻とのコミュニケーションに真剣に取り組もうと思いました。それも楽しんで。妻のことは何でも知っているようで、実はそうでもないのです。一緒に暮らしたのはたったの10年ですから、妻の意思を確認しながらインタビューして、今度はどこへ行こうか、何しようか、妻のやりたいことを見つけ出していく。重度障害者とのコミュニケーションというと難しく聞こえますが、妻が喜ぶプログラムを作り上げるというのはそれは楽しい作業じゃないかと思えてきました。つきあい始めたころのサプライズ的な何か。もっと介護生活を楽しめるような気がしてきました。これはもう尊厳死の対象になんかには成り得ないです。
 NHKバリバラのスタッフの皆さん、横田美紀さんありがとうございました。

番組ダイジェストHEY 重度 意思決定 全力サポート!【前編】

http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=756#top

番組ダイジェストHEY 重度 意思決定 全力サポート!【後編】

http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=757#top

画像


後編は再放送が6月1日(金)午前0時(5月31日の深夜)よりあります。見逃した方は是非ご覧ください。

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コメント(2件)

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放送されるのを知らなかったので、前編を見逃してしまい、後編は忘れないように。と録画予約をしたところです。

ダイジェスト、あがってたんですね。

リンクありがとうございます!

番組の中で心得としていた三原則、、、。

「本人のタイミングを待つ」ことは
重度障害者でない方に対しても大事なことですね。

今は減ってきているのかもしれませんが、前は特に重度の障害を持っている方は「何もわからないんじゃないか」と思われていたのかなあと思います。

ダイジェスト見てみますね。
Hina
2018/05/29 23:19
Hinaさま
後編も良かったですね。当事者のために考えたプログラムの内容も興味深かったですが、もっと大切なのは本人の意思を確かめるということ。本人が意思決定に参加するというステップがこれまではおろそかにされていましたが、この番組を通じて、まずは当事者の意思をくみ取るということが当たり前になればいいなと思います。
福寿草
2018/06/05 00:01

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