遷延性意識障害の妻を支えて

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zoom RSS [0147] 果たして目は見えているのだろうか

<<   作成日時 : 2017/07/31 23:47   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 4

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 先月の全国遷延性意識障害者・家族の会の講演会は首都大学東京教授の西村ユミ先生による『意識の定かでない人とのコミュニケーションの可能性』というお話しでした。妻のような意識の定かでない人との一番ベーシックなコミュニケーション方法としてよく使われるのは「瞬きを2回して下さい」というものです。1回だと通常の瞬きと区別がつかないので、意識的にやってもらうために2回にするそうです。先生の講演の中で興味深かったのは「視線が絡む」というあるナースの経験のお話しでした。意識障害の患者さんと長く接していると患者さんの思っていることがだいたい分かるようになってきて、患者さんの目が自分を認識していると感じられることを「視線が絡む」という表現をされていて、単純に相手の目の表面に自分が映っているのが見えるということではなくて、目を見て、あ、分かってるなと思える時を「視線が絡む」と表現していると理解しました。

 この話を聞いて妻の場合はどうかと思い出してみましたが、意識障害になって11年過ぎて視線が絡んだという感覚はこれまでありません。視線が絡む前に目が合ったという感じもないのです。妻の場合は追視が無いので、じっと何かを見つめたり、目で何かを追ったりということがありません。急性期の蘇生直後の頃は覚醒時は緊張が強く、目は不自然なほど斜め上をひん向いて、まぶたが痙攣するかのようにピクンピクンとこれまた不自然な瞬きがあるような状態で、とても何かを見ているというような状態ではありませんでした。だんだん緊張もとれてきて目が穏やかになってきても、やはり声かけしている人の方を向くとか、TVの方を見るとか自分の意思で眼球を動かすことはできませんでした。

 目が見えているかどうかの試験方法として、目の前で手をパチンとたたいて瞬きするかどうかを見ることをしますが、音を出してパチンとやると目をつぶるのですが、音を立てずに急に目の前に手をかざしてみても反射はありません。聴覚については急性期にABRという方法で確認してくれたのですが、視覚についてはそういえば検査らしい検査はしてもらっていません。果たして妻の目は見えているのかどうか、、、僕が感じる限りは目は見えていないように思えます。先の講演会で聞いた「視線が絡む」ということがないのです。

 妻の目は起きている時は常に動いていて、どこかをじっと見つめてはいません。もし見えているとしたらこんなに目を動かしていたら映像が頻繁に動いて、目が回ったり酔ったようになったりするはずですが、そんな感じはありません。ということははやり見えていないのかなと思います。ただ、強い光には反応があって、日光が直接当たったりするとまぶしそうにします。ひょっとしたら映像はぼんやり見えているのかもしれません。現代の医学では医療費削減のため不必要な検査はあまりやってくれない傾向で、目が見えているかどうかは意思疎通ができなくても現代の医学を駆使して検査をすればわかりそうなものですが、保健医療ではやってもらえないようです。

 目には異常はないので、映像を認識する脳の部分がダメージを受けているかどうか、また眼球を意識的に動かしたり、瞬きも反射ではなくて意識的に瞑ることができるのかどうかについては難しそうに思います。しかしリハビリのやり方次第ではできるようになるかもしれません。そのような見る訓練というプログラムは無いものかなといつも思っています。目が見えないと言うことが検査ではっきりすれば、それにあった治療やリハビリが受けられると思うし、福祉の支援も視覚障害としてのサービスが受けられるようになると思います。

動画を撮りました。
目の前でパチンと音を出すと瞬きしますが、音がないと反応はありません。
https://youtu.be/FZLE_5RHVQA

眼球が常に動いています。何かを追っているわけではなさそうですし、目を合わせようとしてもどうしても合いません。
https://youtu.be/yOst6FZW9mo

日頃は妻の目は見えているものとして接していますが、でも見えていないかもというのがどこかにあって、何かをする時は必ず言葉で説明をするようにはしています。妻の目は果たして見えているのか本当のところを知りたいと思っています。

なお、西村ユミ先生の講演の詳細は次号の家族会会報(秋号No.27)に掲載する予定です。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。お久しぶりです。
うちの母も低酸素脳症による意識障害者です。
瞬きや追視についてはリハビリの先生がよく試していましたが、うちも反応がありません。
私も、見えてないのかな…と思ったりしましたが、私が「こっち見て!」と呼びかけると眼球だけ、一瞬ですが、こちらに動きます。
あと常にではありませんが、人がいる方向や物音がする方向に首をバッと動かして顔を向ける時があります。
弊害があるかもしれませんが、全盲の方はキョロキョロされませんよね。
それらの動きから考えて、見えてないと断言はできないと思っています。
やはり、体を『動かす』という機能に大きなダメージがあるが故に、追視などにもその影響があるのじゃないかと。…素人考えですが。
以前のコメントにも書かせて頂きましたが、うちの母は『瞬きを2回』はできませんが、舌を動かすことはできます。
苦しそうな時に「しんどいの?」と聞くとすぐ舌の先を上唇にあてます。
しんどい時は切羽詰まってるので反応が早いです。
また「舌動かして」とお願いするとすぐ動かしてくれます。
以前から『瞬き2回』や『嚥下練習ははゼリーから』というセオリーには疑問を感じています。
医療関係者には障害者個々の特性を見極めて、反応のある部分からアプローチを広げていってもらいたいなと考えています。
ハンバーグ
2017/08/01 02:46
追記です。
どこかで読んだのですが、人間の目は静止している物をじっと見続けることはできないそうです。
だから静止してる物を見る時は自分の目の方を動かすそうです。
ハンバーグ
2017/08/01 03:16
ハンバーグさん
遷延性意識障害はまだまだ研究が不足しているので、セオリーと思われていることが実は違っていたと言うことは大いにあると思います。我々はそれを実践で解明しているのです!
脳の障害部位は人それぞれなので動かせるところも人によって違うはずです。ハンバーグさんのようにそれを見つけられることはすごいことです。
僕も妻の目は見えていて欲しいと思う反面、自信はないです。でも目が見えていなかったとしても、聴力や第六感みたいな他の能力を普通の人以上に発達させているかも知れないと思っています。
福寿草
2017/08/05 14:23
はじめまして、6歳の全盲の息子を持つ母です。息子は胎児の時に原因不明の脳室内出血を起こしその後遺症で沢山の病気があります。その1つに全盲があります。生後9ヶ月で、追視がない為目が見えていないと直感し大学病院の主治医を通して眼科の先生に無理を言って光を感じているか調べることができる脳波を使った検査(VEP:視覚誘発電位?だったとおもいます)をしました。結果、99.9%光も感じてないと確定診断をうけました。やっぱり見えてなかったと落胆しましたが、次の日には視覚的な支援を受けれる施設を探しはじめモヤモヤした気持ちが晴れました(^^)
きなり
2017/09/19 22:54

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